フィボナッチ・リトレースメント

    フィボナッチ・リトレースメント(Fibonacci Retracement)は単にフィボナッチ分析とも言われ、為替相場におけるテクニカル分析の一つです。フィボナッチとはイタリアの数学者レオナルド・フィボナッチを指します。彼が研究したフィボナッチ比率がこの分析手法の土台になっています。リトレースメントとは「引き返す、後戻りする」といった意味です。用途としては、主に上昇相場の押し目や下降相場のあや戻しのめどを推量するのに用います。ただそれ以外にも、波動分析とともに天井や底値を推量するのにも応用されます。

   基本的な使い方は下図のとおりです。波動の底と天井をフィボナッチ比率(23.60%、38.20%、61.80%、76.40%)で分割します。この例では、AからBにいたる上昇がBを頂点に下降へ転じています。これがどこで下げ止まるかを予想するとき、フィボナッチ・リトレースメントが一つのめどを与えてくれます。A'〜Bの上昇幅をフィボナッチ比率で分割した水準(1,2、4,5)がその候補となるわけです。なお、通常はフィボナッチ比率に50%の水準(3)も加えて考えます。

フィボナッチ・リトレースメント

   100%の戻りを達成してさらに下落した場合は、フィボナッチ比率の123.6%、138.2%、161.8%といった数字から目標値を計算することも可能です。こうした場合は、リトレースメントではなくエクステンション(Extension:拡張)と言います。

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