フィボナッチ比率

   フィボナッチ比率(Fibonacci Ratio)とは、フィボナッチ数列の中に現れる不思議な比率のことで、具体的には0.382、0.618、1.618などの比率をさします。イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが研究したことから、こう呼ばれます。

   フィボナッチ数列は『1、1』で始まり、隣り合った二つの数字の和をつなげていって作られる数列のことです。具体的には『1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233・・・』と続いていきます。下の図はフィボナッチ数列に従って作られた正方形を螺旋状に並べたものです。これをどんどんつなげていくと、きれいな渦巻きができあがります。

フィボナッチ数列

   こうした形は、自然界でも見い出すことができます。例えば、松ぼっくりやパイナップルのかさは、右回りに8個ずつ、左回りに5個ずつ、または右回りに5個ずつ、左回りに3個ずつ並んでいるそうです。巻貝の成長や木の葉のつき方も、フィボナッチ数列に従っているといわれます。

フィボナッチ比率

1.618と2.618

   フィボナッチ数列は数学的にも多くの興味深い性質を持っています。その中でも特に注目される性質は、『隣り合った数字の比率は1対1.618に限りなく近づいていく』という性質です。この『1対1.618』は黄金比率と呼ばれ、最も安定的で均整が取れた比率と言われます。

   ほとんどの国旗がそうですし、トランブや名刺の多くは黄金比率を採用しています。そうした長方形から正方形を切り取って残った長方形はやはりフィボナッチ比率を構成しており、その作業は永遠にくり返すことができます。またフィボナッチ数列では、『一つおきの数字の比率は1対2.618に限りなく近づいていく』という性質もあります。

フィボナッチ比率とテクニカル分析

   1.618とその逆数である0.618(大きいほうの数字を分母にした場合)、2.618とその逆数である0.382などを総称してフィボナッチ比率といいます。フィボナッチ比率は均衡や安定を招く数字として、為替相場テクニカル分析にも応用されています。

   目標の値幅や日柄をフィボナッチ比率を用いて算出する方法です。このときに用いられる比率は、23.60%、38.20%、61.80%、76.40%、100%、123.6%、138.2%、161.8%など。具体的な分析手法については、フィボナッチ・リトレースメントフィボナッチ・ファンパターン分析をご参照ください。

Copyright(c) 2008-2021 All Rights Reserved.