入口ルールと出口ルール

前のページではFXで必勝を実現するための基本方針として以下をご紹介しました。

  1. 年率30%程度の運用収益を目標とし、無理をしない。休むも相場
  2. レバレッジは3〜6倍を基本とし、最大瞬間風速でも10倍までとする。
  3. 建玉は分散して行う。1回に使用する証拠金は全体の10分の1〜2程度にとどめる。
  4. 運用収益は半年ごとに投資元本に繰り入れる。それまでは証拠金として使用しない。
  5. 損失が発生しても1年間は資金を補填しない。
  6. 大勢順張り・小勢逆張りを徹底する。

これを土台として、具体的な入口ルールと出口ルールを定めてみましょう。なお、前提としてデイトレードのような短期売買から、ある程度ホールドするケースまで想定しています。ただ、後でも触れますが、出口ルールの中に1ヶ月というタイムリミットを加えているので、それ以上保有することはありません。全体としては、スウィングトレード主体で、デイトレードや少し長めの取引も混じるという感じでしょうか。では、まず入口ルールから見ていきましょう。

必勝の入口ルール

必勝のための入口ルールは次の四つです。

  1. 大勢トレンドに逆らった建玉は決して持たない。大勢トレンドの判断に迷うなら様子を見る。
  2. 新規に建玉するときは押し目買い戻り売りを基本とする。
  3. もちあい放れにつけ」はトレンドの発生原として注目する。。
  4. 最初の建玉は最大でもレバレッジ3倍まで。

入口ルールの1について

1は『底値を買いたい、天上を売りたい』という欲を抑えるためのルールです。底値で買ったり天井で売ったりできたときは実に爽快で高い満足感が得られますが、これを求めるのはかなり危険な行為です。もしトレンドの逆を張って、踏み上げ投げ売りの局面に遭遇した場合、冷静さを保つことは至難のわざです。資金に余裕がないと恐怖心に取り付かれてしまい、最悪の判断をする可能性があります。そうなった時はダメージも大きいものです。『頭と尻尾はくれてやれ』という格言がありますが、ぜひ実行したい教えです。

入口ルールの2について

2は追随買い・追随売りをしたくなる気持ちを抑えるためのルールです。追随買い・追随売りというのは、今日・昨日といった足元の相場が上がっている(下がっている)時に、それに追随して買う(売る)ことを言います。決してそうした手法が悪いというわけではなく、トレンドの強いときなどは好結果を生むことでしょう。ただ、押し目買い・戻り売りというオーソドクスな相場の鉄則を守るために、ここでは明記した次第です。

さて、ここまで読まれると『トレンドや押目・戻りのポイントはどうやって判断するの?』という疑問をお持ちになる方も多いでしょう。その点も簡単に触れておきます。トレンドはファンダメンタルズを参考にしながら、主にテクニカル分析で判断します。押目・戻りなどの売買のタイミングはもっぱらテクニカル分析で判断します。テクニカル分析には先人達が開発したさまざまな手法がありますが、以下を押えておけば不足はないかと思います。

なお、ご注意していただきたいのは、大勢・小勢は相対的なものだということです。週足を大勢とすれば日足が小勢となりますし、日足を大勢とすれば1時間や4時間足などが小勢となります。

入口ルールの3について

3についてですが、もちあい放れは昔から重要なチャンスと考えられていますし、当サイトでも仕掛けのタイミングとして注目しています。具体的な解説は以下のページで行っていますのでご参照ください。

入口ルールの4について

4のレバレッジは大枠をベーシックルールで決めています。ただ、一発目のショットは慎重にいくために、このルールを定めています。チャンスと思ったらどうしてもレバレッジを高くしたい欲望にかられますので、その気持ちにブレーキをかけるためです。

必勝の出口ルール

次に必勝を実現するためにもっとも重要な出口ルールです。

  1. 利食いの目途は、時間足で0.5%〜1.0%、日足で1.0%〜2.0%、週足で2.0%〜5.0%。
  2. 損失が総資金の10%に達したら決済する。
  3. 判断のもとになった情勢が根本的に変わったと判断したら決済する。
  4. 建玉した日から1ヶ月を経過したら状況にかかわらず決済する。

出口ルールの1について

まず利食いは、建値からの変動率で設定します。そして判断のもとになっている時間軸によって、1のように目標値は変わります。時間足は2〜4時間足を基本としています。ファンダメンタルズでは直近の数日から1ヶ月程度の情勢が判断のより所となります。日足ベースなら1ヶ月から数ヶ月、週足ベースだとそれ以上の長期的な流れを見て仕掛けた場合で、利食い目標も段階的に拡大します。もちろん、トレーリングストップ注文などを使って利を伸ばすという手法もありますが、トレンドの大きさに左右される側面があります。当サイトでは勝率にもこだわります。

出口ルールの2について

損切りについてはいろいろな考え方がありますが、そもそもなぜ損切りが必要なのでしょうか。それはもちろん資金に限界があるからです。もし資金が無尽蔵にあるのなら、損切りなどせず、年々でも利益が出るまでポジションを持ち続ければよいのです。そうすれば必ず儲かります。しかし普通は資金に限度がありますから、それが枯渇してしまう前に、あるいは塩漬けのポジションを抱えてにっちもさっちも行かなくなる前に、仕切りなおして再チャレンジしましょうということです。そのために損切りが重要だと言われるわけです。

しかし、損切りは損失を確定させてしまうわけですから、必勝法には大敵です。それゆえ資金に余裕を持たせることが重要なのです。資金に余裕があれば、多少は相場が逆行しても慌てて損切る必要がありません。ただし、大勢に逆行したポジションでは、損失がどんどん膨らんでしまいます。これでは早めに損切りしていればよかったということになってしまいます。ですから当社では、『トレンドには逆らわない』ということを基本方針としているのです。大勢に逆らわない建玉なら、目先は逆行した場合でも、致命的なダメージを受けることはありません。これはFXにおける必勝法の大きな柱です。

もちろん、大勢の判断を誤ることもあります。そこで効いてくるのが『小勢は逆張り』というルールです。これを実践していれば、もし大勢の判断を誤ったとしても、損失幅は抑えることができます。相場は波動で構成されており、押目や戻りがあるからです。『相場は結局金持ちが勝つようにできている』という格言がありますが、金持ちというのは”目いっぱい資金を使っていない人”のことです。資金に余裕があり、『大勢順張り・小勢い逆張り』を実践していれば、慌てて損切りする必要はないのです。

さて、前置きが長くなりましたが、いくら慌てて損切りしなくてもよいと言っても、やはりどこかで歯止めは仕掛けておく必要があります。そこで2のルールです。さすがにそこまで逆行すれば、誤った仕掛けを行ったと反省すべきであり、いったん決済する必要があると思います。

出口ルールの3について

出口ルールの3は、売買判断のもとになったファンダメンタルズが変わったり、建玉と逆行するようなニュースが飛び出したりしたら、決済するということです。これも判断の難しいところで、その材料やニュースがどの程度のインパクトを持っているのか読まなくてはいけません。ここは、経済の知識もさることながら、経験や日ごろの情報収集がものを言います。

出口ルールの4について

出口ルールの4は、1ヶ月もかかって利食いえないようでは、仕掛けどころを間違えたと判断して、粛々と決済を行おうという趣旨です。ただしこれについては、運用スタイルなどによってアレンジすることは大いにあるでしょう。

マイルールを守ろう!

以上、マイルールの実例をご紹介しましたが、取引のスタイルは様々ですから、ご自分のスタイルに合わせてアレンジしていただければと思います。また、実際に経験を積むにしたがって見直していけばよいのです。大事なことは守ることです。ルールというものは、決めることよりも実行することのほうがはるかに難しいものです。特に取引ルールは上司にチェックされているわけでもありませんし、ついつい自分に甘くなりがちです。

けれど、実行できなくては意味がありません。手帳に買いて毎日眺めるとか、寝る前に頭の中で3度反芻するとか、そういう涙ぐましい(笑)工夫もバカにならないのです。マイルールを守れるかどうかが成績を左右することをお忘れなく。

ただ、いきなり100%実行できなくても自分を責める必要はありません。最初は50%でも大いなる進歩です。それに、建玉のタイミングをはかる腕前が上がってくれば、損切りのケースはおのずと減っていきます。そうこうしているうちに80%できるようなれば、もう上級者の仲間入りです。ただ、『今回は例外ということにしよう』なんてことが何度も続かないように注意してください。自分の気持ちをコントロールするためのルールを決め、それを守ること、これが勝つための土台です。

必勝法が必勝でなくなるとき

ここまでは、FXで必勝を実現するために重要なことはメンタルコントロールであり、そのための対策としてマイルールを決めましょう、というお話しをしました。しかし、実際に取引を行うと、ルールを破ってしまうことが起こります。それは、相場のあちこちには心理的な罠が待ち構えているからです。代表的なものとして「FXで失敗する理由」の中で以下を取り上げていますので参考にしてください。

では「FXの必勝法」の最後として、次のページでは必勝のための七ヶ条をご紹介します。

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