CFDのメリット・デメリット

   このページでは、CFDのメリットとデメリットを、他の金融商品と比較しながらご説明します。

CFDのメリット

1.取引対象が多種多様

   CFDの最大のメリットは、取引対象の選択肢が多種多様だということでしょう。例えば、ある業者に口座を開設すると、個別株、株価指数、業種別指数を同じ仕組みで取引することができます。特に業種別指数を取引できるのはCFDだけです。さらに、海外の個別株、株価指数、業種別指数も取引可能です。従来の証券会社では、このようなオールインワンのサービスを受けることはできません。株価指数先物と個別株の信用取引は別の手続きをしなくてはなりませんし、業種別指数や海外市場の銘柄はそもそも取引することができません。

2.証拠金取引

   CFDは証拠金取引ですから、取引にあたって総代金を必要としません。差し入れた証拠金に対し、5倍〜25倍程度のレバレッジをかけることができます。また、証拠金取引のもう一つのメリットとして、値下がり局面もチャンスにすることができるという点があります。これは、取引戦術の幅が広がるという意味で、通常の現物株取引に比べると大きなメリットと言えます。

3.店頭取引

   証拠金取引という仕組みは、株価指数先物や商品先物との比較では同じです。ただ、CFDは店頭取引であるため、取引所取引である先物取引とは異なる点があります。それは、限月制がないことと(※)、レバレッジ倍率が高いということです。取引所に上場されている先物取引には限月というものがあり、取引期限が決められています。期限まで建玉を持っていると自動的に決済されますから、継続したければ一旦ポジションを決済して、先の限月で新たに建てる作業をしなくてはなりません。CFDは証拠金取引ですが、先物取引ではないのでこのような限月制がなく、期限を気にして取引する煩わしさがありません。
※CFDでも限月制を採用している場合があります。

   また、取引対象によっては夜間も取引ができるなど、取引所取引よりも取引時間が長いものもあります。さらに、個別株のように同じ銘柄は1日に1回しか取引してはいけないといった制限が、CFDにはありません。何回でも取引可能です。次にレバレッジですが、先物取引のレバレッジ倍率はCFDに比べると低く抑えられています。もちろん、倍率が高ければそれだけハイリスク・ハイリターンになりますので、絶対的なメリットというわけではありませんが、選択の幅が広がる点でアドバンテージと言えるでしょう。

CFDのデメリット

1.商品がやや複雑

   CFDのデメリットとしてまず挙げられるのは、商品がやや複雑という点です。特に個別株の場合、コーポレートアクション(配当や分割などの会社が実施する施策)が関係してくるため、注意が必要になります。個別株でショートする(売り建てる)場合、配当があると支払う立場になりますし、取引手数料やスプレッドの他に金利コストがかかります。

2.初心者にはとっつきにくい

   CFDのメリットは初心者にとってはデメリットにもなりえます。海外市場も含めて多種多様な銘柄があったり、ハイリスク・ハイリターンであることは、初心者にとってはハードルが高いかもしれません。また、海外市場の銘柄は英語が読めないと情報量が限られてしまいます。

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   CFDが日本でも取り扱われはじめた頃は、各種規制がまだ整備されていなかったため、業者の破たんが大きなリスクでした。しかし現在では、顧客資産は信託保全が義務付けられているので、そうしたデメリットはなくなりました。また、自動ロスカット自動ストップロス)なども導入され、法規制面や商品設計上のデメリットは見られなくなったと言えます。

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