逆張り

逆張りとは

   逆張り(ぎゃくばり)はFXや株式相場の取引手法を指す言葉で、為替相場の趨勢とは逆の売買方針で臨むスタイルを意味します。下降中の相場であれば反発を予想して買いから、上昇中の相場であれば反落を予想して売りから入ります。なるべく安く買う、なるべく高く売ることをめざし、相場の大底や天井を狙う売買手法です。これに対して、相場のトレンドに沿った売買方針で取引をする手法を順張りと言います。

逆張りのタイミング

   逆張りでは売買タイミングを測る方法として、テクニカル分析や市場心理のウォッチなどが挙げられます。テクニカル分析では、オシレーター系の指標が参考になります。下図はEUR/USDの日足チャートとRSI(14日)の例ですが、30%割れや70%超えが売買のタイミングと重なっています。また、過去の主要な底値や天井を参考にしたり、波動分析などの手法も使われます。詳しい使用方法はそれぞれの解説記事をご参照ください。

逆張り

   次に市場心理ですが、こちらは具体的に数値等ではなかなか把握できません。ですが、市場の動きを外から傍観していると、パニック的な売りや買いが起こったときには感じることができます。当事者ではとても冷静でいられない状況でも、建玉をもっていないと雰囲気に飲み込まれないので、客観的に判断できるわけです。なお、市場心理の参考になる指標もありますので、それについては「為替市場の心理」をご参照ください。

   逆張りのタイミングを測る方法として避けたいことは、値ごろ感に頼ることです。これは感覚的に割安・割高を判断して出動することです。しかし新たな材料が出て一段安一段高になることもあります。相場のことですからどんな手法でも不確実性は伴いますが、値ごろ感だけではやはり危険です。安くなった・高くなったと感じたら、日足だけでなく必ず週足や月足もチェックしましょう。そしてテクニカル分析やファンダメンタルズなども総合的に検討し、いざ出動する際には計画的に分散買い・分散売りを行うことが肝要です。

逆張りのメリットとデメリット

   逆張りは順張りに比べてリスクは高くなりますが、当たったときの利益は大きくなる傾向があります。しかし、予想が外れた場合はなかなか修正がききません。「いずれは反発する・反落する」と考えてズルズルと引きずってしまいやすいのです。このため損失も大きくしてしまう傾向があります。逆張りを基本的な取引手法にする場合は、長期的な視野に立っているか、値ごろ感に誘惑されていないかを自ら確認したうえで、計画的にポジションを構築していきましょう。

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