自主規制団体

自主規制団体とは

   自主規制団体は自主規制機関ともいい、特定の業界において法令ではカバーしきれない細かな部分のルールを作ったり、違反する者の監視を行ったりする団体のこと。日本には星の数ほど自主規制団体が存在します。例えばFXでは金融先物取引業協会が、証券系のCFDでは日本証券業協会が該当します。金融派生商品を取り扱っている金融商品取引業者(証券会社など)が加盟し、金融商品取引の公正さや透明性を高めるための活動を行っています。つまり自主規制団体とは、その業界に関係した会社等が自分たちの意思で集まり、自ら襟を正して業界の発展に寄与するために活動する、そういう存在であるわけです。

自主規制団体の機能

   ただ実態としては、行政を補完する仕組みとして、行政主導で組成・運営されている側面があることも否めません。FXやCFDでいうと、監督官庁は金融庁です。金融庁は業界の法律である金融商品取引法に従って金融行政を行います。しかし法律は国会の承認が必要ですから、ちょくちょく修正したりできません。そこで法律では大枠を定め、もう少し細かいことや具体的なことは政省令で定められます。

   しかし、さらに細かいことや急を要することでルールを定める必要が出てくる場合もあります。そういう場合、自主規制団体が加盟各社の意見を聞きながら、ルール作りを行うわけです。FXでは、広告や自動ストップロスに関しては大枠を法令で定め、細かい運用ルールを自主規制で補っています。スリッページやバイナリーオプションなどの専門的知識を要するようなことも、自主規制団体の領域です。

自主規制団体の実態

   さて、ここまで読んだ読者の中には「自主規制団体には必ず加盟しなければならないのか?」または「加盟していなければルールは守らなくてもいいのか?」といった疑問を覚える方もいらっしゃるでしょう。確かに自主規制団体は自発的に加盟するものですし、そこのルールはメンバー以外には効力が及びません。

   しかし、FXを扱う業者であれば、加盟しないという選択肢は実質的にはあり得ません。外務員資格などは金融先物取引業協会や証券業協会が行政から委託を受けて管理しており、未加盟会社の社員が外務員として認められることはまず不可能ではないでしょうか。そもそも、金商業者の登録申請時に加盟しないと書けば、登録そのものがおぼつきません。自主規制とは言え、違反すれば罰則もありますし、行政機関の目も厳しくなるでしょう。実質的には法令に近い効力を有していると言えるのです。

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