レバレッジ規制

レバレッジ規制とは

   レバレッジ規制とは、レバレッジの最大値に上限を設けて、FXの投機性を緩和しようとする規制のことです。レバレッジは高くなるにつれてハイリスク・ハイリターンとなりますので、一攫千金も夢ではありませんが、大損を被る可能性もあります。こつこつと働いて貯めた資金を一夜にして失うことも起こりえるわけです。いくら投資は自己責任とは言え、度が過ぎるのは宜しくないということで、金融庁金融商品取引法を改正して、次のような日程でレバレッジ制限を行うこととしました。ただし対象は個人だけで法人は規制外です。

  • 2010年8月1日から…最大レバレッジを50倍に(それ以前は無制限)
  • 2011年8月1日から…最大レバレッジを25倍に

レバレッジ規制のポイント

   最大レバレッジが25倍ということは、100万円の取引を行うためには、取引証拠金を最低でも4万円は差し入れなくてはいけないということです。例えば1ドルが100円ならば、1万ドルの取引は円建てで100万円に相当するわけですが、仮にレバレッジを最大限に生かして取引を行うとしましょう。つまり4万円を預けて100万円の取引を開始します。この場合、もしドル円の相場が1円動くと1万円の損益が発生しますが、これは取引証拠金の4万円に対して25%に当ります。では仮に同じ値動きで最大レバレッジが100倍だとどうなるか。取引証拠金は1万円ですみますから、予想が当った時は投資額が倍になり、外れた時は全額失うことになります。それだけ、ハイリスク・ハイリターンというわけです。

   もちろん、規制とは関係なく、取引証拠金を多めにいれておくことは可能ですから、レバレッジを低くすることは個人の裁量で可能です。最大については法律で制限しましょうというのが、レバレッジ規制なわけです。レバレッジ規制がかかる前は無制限でしたので、業者によっては400倍を謳い文句にするところもありましたが、金融庁としてはさすがにこの流れはまずいと考えたのでしょう。世界的にもレバレッジを規制する方向にあったことも少なからず影響したようです。下は「FXのQ&A」にある関連記事です。ご参考まで。

法人のレバレッジ規制

   上記の規制は個人のみが対象で、法人については業者が自由にレバレッジを設定することが可能でした。しかし2017年2月からは法人にもレバレッジ規制が導入されることになりました。ただし、個人のように最低証拠金率が固定されているわけではなく、変動制です。通貨ペアごとに過去の価格データを用いて一定のルールで計算し、少なくとも1週間に1度は再計算することが義務付けられました。そのため通貨ペアによって差がありますが、おおむね個人よりもレバレッジは高くなる傾向のようです。

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