本国投資法(HIA)

   本国投資法(HIA: Homeland Investment Act)は2004年10月に米国で成立した法律です。米国の多国籍企業が海外で留保している利益・配当金等を米国内に送金する場合、通常は35%の税率が適用されるところ、同法はこれを5.25%に引き下げました。税負担を優遇することで、レパトリ(資金還流)を促し、米国内での投資を促進することが目的だったわけです。ただし、適用は2005年のみの時限立法でした。

   同法の影響で、十数兆円の海外留保利益が米国内に送金されたと見られており、為替市場ではドル買い需要を生むこととなりました。実際、影響の大きかったユーロ/ドルは、2005年の1年間を通じてドル高基調となり、前後の2004年と2006年がドル安基調だったことから、同法の影響が見て取れます。ドル/円も2005年はドル高基調でした。

   日本でも同様の法整備が検討されたことがあります。2008年、経済産業省が日本版本国投資法を検討していることが一部のメディアで報道されました。実現すれば、数兆円規模の円買い需要が生じる可能性があり、円高要因となりますが、実現はしませんでした。

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