スミソニアン合意

   スミソニアン合意は為替取引の体制に関する歴史的な出来事をさします。ニクソンショックからしばらくたった同年12月18日、米国ワシントンのスミソニアン博物館で10ヵ国蔵相会議が開催されました。この会議は、米国の新経済政策をうけて、新たな国際通貨体制を検討するものでした。しかし、この時点では変動相場制への移行は見送られ、固定相場制は維持されました。ドルは主要通貨に対して切り下げられ、円レートは308円に上昇(それでもまだ300円台!)。また、為替の変動幅は従来の上下1%から暫定的に2.25%に拡大されました。

   ただ、このスミソニアン合意にもとづく体制は長続きしませんでした。米国の貿易赤字は一向に減る様子がなかったからです。結局、1973年2〜3月に日本を含む先進各国は相次いで変動相場制に切り替えることとなります。変動相場制は1976年1月ジャマイカのキングストンで開催されたIMF暫定委員会で承認されます。これを『キングストン体制』と言い、現在に至っています。

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