先週は円の軟調が目立ちましたね。ドル/円が88円の下抜けに失敗したことに端を発して、円を売る動きが他の通貨にも波及した感じです。わが国の来年度の国債発行額が50兆円に達し、財政が一段と悪化しそうなことも、投機筋に格好の材料を与えています。
先週号で推奨したドル/円買いのストラテジーが、この流れにうまく乗ることができました。指値の90.10円を火曜日にギリギリヒットし、週末は92円台に乗せて引けています。下は日足の一目均衡表ですが、転換線と基準線のゴールデン・クロスも起きています。今週はスピード調整があるかもしれませんが、上値として93~94円を見込んでいることに変りはありません。でも利食いの指値は手堅く92.90円に置くことにします。ダウ平均の動き次第ではさらに上を狙う可能性もありますが、利食い千人力ですから。
あと、0.9176ポンドで買い持ちしているユーロ/ポンドですが、一時は0.90ポンドまで下げました。イングランド銀行(英中銀)金融政策委員会の議事録が公開され、資産買い入れプログラムの据え置きが全員一致で決定されていたことが明らかになったためです。一段の金融緩和に対する思惑が後退してポンドを支援しました。しかし、週末は一転してポンドを売る流れに。第3四半期の英GDPが予想外のマイナス(前期比-0.4%)となったためです。これで6四半期連続の景気後退で、統計を取り始めて以来最長だそうです。おかげで、ユーロ/ポンドは何とか0.92ポンドを回復し、僅かながら含み益のある状態まで戻しました。これで押し目の底は見たと思いますので、しだいに上値を試す流れに戻ると予想しています。利食いのターゲットは引き続き1.95ポンドとします。なお、ユーロ/スイスは依然として方向感のない動きが続いていますが、辛抱強く待つことにしましょう。
あと、先週はブラジルとカナダの当局が自国通貨高を牽制したのもトピックスでした。ブラジル当局は、国内の債券や株式に流入する外国の投資資金に対して2%課税する方針を発表。これは、レアルの上昇をけん制するための政策で、実際に同国の財務相は「レアルが過大評価されれば輸出競争力が削られる」とコメントしています(レアルは自由化されていないので、FX取引で扱っている会社は今のところないと思いますが)。またカナダも、金融政策会合後の声明で、カナダドル高に対して強い懸念を表明しました。資源国は自国通貨が対ドルで上昇すると輸出の手取り収入が減少しますから、だいぶドル安に対して神経質になってきてますね。ユーロ/ドルも1.5ドルを達成しましたし、ドル安もそろそろ潮時かもしれません。
その鍵を握っているのは、もちろん世界の景気や金融システムといったファンダメンタルズなんですが、重要な指標はやはりダウ平均です。あとはVIX指数やTEDスプレッドも参考になります。ダウ平均は、米四半期決算の発表が峠を越したので、材料出尽くしから利食い売りが強まる可能性もあります(というかそうなるのではないかと見ています)。もしそうなれば、ユーロや資源国通貨の利食い売りも強まるでしょう。現段階ではドル安が止まった兆候はまだありませんが、そろそろ身構えておいたほうがよいのではないかと感じています。
