先週はドル/円が7ヶ月半ぶりに90円を割り込みましたね。ただ。ドル全面安というわけではありませんでした。下図はドルインデックスの日足ですが、週後半はむしろ盛り返していて、先々週末と同水準で引けています。目だったのは対円での下げ。つまり先週は円の一人勝ちみたいな状況で、クロス/円も全面安となりました。
円高に振れた原因として、藤井財務相や榊原元財務官の発言が指摘されていましたが、あんまり関係ないように思います。注目すべきは、リスク資産から投機資金の流出が見られたことでしょう。実際、ダウ平均、WTI、金(ゴールド)などが軒並み下げていますし、中国や香港の株も下げています。一方で安全資産である米国債が買われました(利回りは低下)。リスク回避の流れが起こると為替市場では円が買われるというパターンは、まだ生きているようですね。それと、FXのストップロスが狙われたいう解説も某通信社で配信していましたが、これは確かにあったんだろうと思います。
問題は、こうしたリスク回避の動きが一時的な利食いによるものなのか、春から続いているトレンドの変化なのか、という点。その鍵は、世界景気が本格的に回復するかどうかにかかっています。そもそも、春以降の強気相場は過剰流動性と景気回復期待に支えられたもの。このうち、過剰流動性は今後徐々に収束に向かいます。FRBはすでに長期国債の買い入れを10月で終了することを表明していますし、先週行われたFOMCでも、モ-ゲージ証券等の購入を来年3月までには終了することを決定しました。当初の予定よりは3ヶ月延長されましたので、その分過剰流動性相場は延命したかもしれませんが、しかし出口が少しずつ見えてきているのは確か。
一方の景気はというと、各国の財政出動による大判振る舞いも出尽くすなか、実態経済の回復に上手くバトンタッチできるかどうかが分かれ目となります。エコノミストの意見もまちまちですし、現時点では市場も決めかねている感じでしょうか。しかし、バルチック・ドライ指数がいっこうに回復してこない点は気は気になります。また、米国の不動産も、住宅価格こそひとまず底入れしましたが(参考:ケースシラー住宅価格指数)、商業用不動産は下がり続けていますしね。
さて、後講釈はこれぐらいにして、具体的なストラテジーです。先週推奨したポンド/円の売りですが、ターゲットの149円を週明け早々にヒット。その後、週後半に急落し、142.95前後で引けています。久々のBINGO!でした。利食いのターゲットですが、年初来の安値119円(1月)から年初来の高値163円(8月)にいたる上昇幅44円に対する半値戻しで、141円に設定したいと思います(ちなみに61.8%戻しは135.81円です)。
あと、もう一つ買い推奨していたユーロ/ドルですが、こちらもターゲットとしていた一目均衡表の転換線をヒットしました。建値は1.4687ドルとしましょう。利食いのターゲットは1.49ドル、損切はひとまず基準線・転換線ともに下降状態になったときに行うこととしておきます。
最後に、買い持ちしているユーロ/スイスフランですが、先週は弱基調でした。ただ、中期的には上昇を見込んでいますので、このまま保持したいと思います。ポジションが増えてきたので、新たなストラテジーは見送りますが、ドル/円がしっかり90円を割って引けたことの意味は大きいと思います。中期的には1月につけた87円台の攻防が視野に入ってきました。
