2009年9月アーカイブ

先週はドル/円が7ヶ月半ぶりに90円を割り込みましたね。ただ。ドル全面安というわけではありませんでした。下図はドルインデックスの日足ですが、週後半はむしろ盛り返していて、先々週末と同水準で引けています。目だったのは対円での下げ。つまり先週は円の一人勝ちみたいな状況で、クロス/円も全面安となりました。

ドルインデックス日足

円高に振れた原因として、藤井財務相や榊原元財務官の発言が指摘されていましたが、あんまり関係ないように思います。注目すべきは、リスク資産から投機資金の流出が見られたことでしょう。実際、ダウ平均WTI、金(ゴールド)などが軒並み下げていますし、中国や香港の株も下げています。一方で安全資産である米国債が買われました(利回りは低下)。リスク回避の流れが起こると為替市場では円が買われるというパターンは、まだ生きているようですね。それと、FXのストップロスが狙われたいう解説も某通信社で配信していましたが、これは確かにあったんだろうと思います。

問題は、こうしたリスク回避の動きが一時的な利食いによるものなのか、春から続いているトレンドの変化なのか、という点。その鍵は、世界景気が本格的に回復するかどうかにかかっています。そもそも、春以降の強気相場は過剰流動性と景気回復期待に支えられたもの。このうち、過剰流動性は今後徐々に収束に向かいます。FRBはすでに長期国債の買い入れを10月で終了することを表明していますし、先週行われたFOMCでも、モ-ゲージ証券等の購入を来年3月までには終了することを決定しました。当初の予定よりは3ヶ月延長されましたので、その分過剰流動性相場は延命したかもしれませんが、しかし出口が少しずつ見えてきているのは確か。

一方の景気はというと、各国の財政出動による大判振る舞いも出尽くすなか、実態経済の回復に上手くバトンタッチできるかどうかが分かれ目となります。エコノミストの意見もまちまちですし、現時点では市場も決めかねている感じでしょうか。しかし、バルチック・ドライ指数がいっこうに回復してこない点は気は気になります。また、米国の不動産も、住宅価格こそひとまず底入れしましたが(参考:ケースシラー住宅価格指数)、商業用不動産は下がり続けていますしね。

さて、後講釈はこれぐらいにして、具体的なストラテジーです。先週推奨したポンド/円の売りですが、ターゲットの149円を週明け早々にヒット。その後、週後半に急落し、142.95前後で引けています。久々のBINGO!でした。利食いのターゲットですが、年初来の安値119円(1月)から年初来の高値163円(8月)にいたる上昇幅44円に対する半値戻しで、141円に設定したいと思います(ちなみに61.8%戻しは135.81円です)。

あと、もう一つ買い推奨していたユーロ/ドルですが、こちらもターゲットとしていた一目均衡表の転換線をヒットしました。建値は1.4687ドルとしましょう。利食いのターゲットは1.49ドル、損切はひとまず基準線・転換線ともに下降状態になったときに行うこととしておきます。

最後に、買い持ちしているユーロ/スイスフランですが、先週は弱基調でした。ただ、中期的には上昇を見込んでいますので、このまま保持したいと思います。ポジションが増えてきたので、新たなストラテジーは見送りますが、ドル/円がしっかり90円を割って引けたことの意味は大きいと思います。中期的には1月につけた87円台の攻防が視野に入ってきました。

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先週もドル安でしたね。円は揉みあいでしたが、ユーロやオセアニア通貨は年初来の高値を更新しました。そんな中で注目を集めたのが、米国の対外対内証券投資(Treasury International Caital System=TIC)。米国の財務省が毎月集計して翌々月の15日に発表しており、先週は7月分でした。速報性はないんですが、米国に入ってくる投資マネーと出て行く投資マネーの統計なので、市場関係者の注目度は高い指標です。

で、7月は予想以上に悪い975億ドルの赤字でした。外国人が米国の債券や株式を買った額よりも、米国人が外国の債券や株式を買った額のほうが大きかったわけです。それもかなりの赤字。昨年までなら普通は黒字でしたし、たまに赤字になっても大した額ではなかったのですが、今年はこれで1勝6敗。ドルにとってはちょっとまずい状況です。

米国という国は、貿易収支の大赤字を投資マネーの流入で補ってきた国です。その構造が崩れているのです。ご存知のように、米国は外国からどんどんモノを買ってドルで支払ってきましたから、それだけならドルは供給過剰になります。放っておけば常に下落圧力がかかります。でも一方で、外国の政府や金融機関は米国に投資してきました。国債を買うにしても株式を買うにしても、ドルが必要になります。その流れが、ドルの需給関係をなんとか保っていたのです。

しかし、今年になって投資マネーも出超に転換。1月・2月と大赤字になったあと、3月はやや黒字で、4~6月も赤字ながら小幅でした。それがここにきて再び拡大してきたのは、ちょっとばかし気になります。最近のドルの下落を見ると、きっと赤字傾向は続いているんでしょうね。

それから、TICのほかに金(ゴールド)が史上最高値を更新したことも話題になりました。金は商品(コモディティー)の一面と通貨の一面を併せ持っており、金が上昇しているということは、ドルへの信任が低下していることの裏返しと言えるからです。一方、金の上昇に比べて原油は頭が重い感じです。これは投資規制への警戒感があるからだと思われます。今年の春から話題になっている件ですが、10月頃にはCFTCがファンド経由の商品投資(特にエネルギーや食料)に対して何らかの規制策を打ち出すと予想されているのです。WTIの買いポジションの2~3割はファンド経由との見方もあり、規制が打ち出されるとWTIは急落するだろうと言うアナリストもいます。もしそうなった場合は、資源国通貨への影響が出るかもしれません。

さて、最後に為替相場に直接関係のある話題を一つ。これはあまり注目されていないと思いますが、先週、外資系のFX業者が一部でスイスフランの証拠金率を引き上げました。証拠金率を高めるといことは、ボラティリティーが高くなる可能性を見込んでいるわけです。なぜか。考えられる理由は、スイスの金融機関が抱えている不良債権という爆弾が表面化し、スイスに対する信用不安が起こるかもしれないということ。昨年アイスランドクローナが急落する前にもこういうことがありましたよね。憶えている方もいらっしゃるでしょう。杞憂かもしれませんが、証拠金率を引き上げたのは事実なので、一応注意はしておきたいですね。

では、具体的なストラテジーです。まず推奨していたユーロ/ポンドの買いですが、下図のようにターゲットの50日移動平均線まで届かず、結果としてボリンジャーバンドの1σで支えられて急反発となりました。もう少し積極的に行けばBINGO!でしたが、しかたありません。一旦このストラテジーは取り下げます。ただ、日柄的にはまだしばらく大勢上昇基調が続くと思いますので、基本は押し目待ちでいいと思います。代わりといってはナンですが、ポンド/円の売りを推奨します。過剰供給となっている通貨が売りターゲットになっている状況なので。下図は一目均衡表ですが、チャート的にも売り有利となっていますしね。具体的なターゲットは149円とします。

ユーロポンド日足

ポンド/円日足

あと、やはり買い推奨しているユーロ/ドルですが、続伸となりました。基調が強いので、押し目のターゲットを日足ベースの一目均衡表で転換線に引き上げたいと思います(先週は基準線でした)。最後に買い持ちしているユーロ/スイスフランですが、相変わらず方向感のない揉みあいが続いていますね。引き続き保持で。

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先週はレーバーデーが明けた火曜日以降、ドルが全面安となりました。対円では一時90.20円まで下げ、その他の主要通貨に対しても軒並み年初来の安値を更新。新興国通貨に対しても下落し、まさにドルの一人負け状態でした。先週号ではドル安も一服と書きましたが、加速という結果になってしまいましたm(_ _)m。それにしてもなぜこんなことになったんでしょうか。それには次の理由が考えられます。

A.ドル余り。これが一番根本的な理由
B.米金融緩和の長期化見通し
C.世界的な景気回復に対する安心感

ドル余りは、リーマン・ショック(15日で1年になりますね)を契機に、米欧日で緊急かつ大量のドルが供給された結果です。実際、ドルの流通量はリーマン・ショック以前の1.6倍以上になっているようです(出所:日経新聞)。信用収縮対策として供給されたドルが、それが解消された今も回収されないまま、市場に溢れかえっているわけです。
※先週末のTEDスプレッドは0.164%と一段と低下しています。

しかしドル余り自体は最近始まったことではありません。ドル売りが加速した要因の一つは、先々週発表された米雇用統計で失業率が9.7%に跳ね上がったことが一因ではないでしょうか。NFPも予想よりも減少数が少なかったとは言え、いまだに21万人規模で職が失われていることは事実。FRBの最優先課題は雇用の確保ですから(このへんが物価安定を最優先とするECBと違うところ)、利上げなんてもってのほか。そのため、米国の金融緩和は長期化し、ドル余り状態も続きそうな按配なのです。これが投機筋を勢いづかせているように思います。

また、世界的な景気回復期待が、ドルからリスク資産へというマネーの流れを後押ししています。中国はバブルと言ってよい状態ですし、その他の新興国全体に回復基調です。商品相場も上昇基調を強めています(参考:CRB指数)。ドルで持っているよりも、ドルでお金を借りて世界に投資するほうが儲かるという環境。かつて円で起こったキャリートレードがドルで起こり、それが衰える気配がないのです。

そうした状況に乗って投機筋が仕掛けている、というのが先週の動きだったのではないでしょうか。雇用統計の2日後だったかに、中国が『FRBがドル紙幣を印刷し続けていることは問題だ』と発言したことも、投機筋に格好の材料を与えたように思います。伝統的にアンチドルの代表である金がついに1000ドルを超えたことは、その象徴でしょう。

ただまぁ、ここまでは後講釈です。問題は『ではどうするか』ですよね。この流れに素直に乗るべきかどうか。下図はドルインデックスの先週末までの月足チャート+24ヶ月移動平均線です。6月には24ヶ月線に支えられて下げ止まったかに見えましたが、7月に割り込み、24ヶ月線も再び下げ基調になっています。こうなると、一段安の可能性が高いと考えるのが自然でしょう。

ドルインデックス月足

また、下図はユーロ/ドルの週足および一目均衡表の雲と基準線です。雲のすぐ上で少し揉んだあとに長めの陽線が出ており、強気相場を暗示しています。

ユーロドル週足

そんな感じでチャート的にもドル安継続の可能性が高いと判断されます(目先は少し戻るかもしれませんが)。そこで、ユーロ/ドルの買いを追加で推奨します。いつものように押し目買い狙いで。ターゲットは日足ベースの基準線。先週末で1.434ドルです。ただ、すでにユーロ/スイスフランを買い持ちしていますし、ユーロ/ポンドの買いも推奨しています。ポンドもイングランド銀行による国債買取など、売り材料的にはドルと似ているので、ドルとポンドのうちどちらかが約定したら、一方は破棄することにします。

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先週はドル/円が一時92円を割る場面がありました。きっかけは総選挙で民主党が圧勝したこと。構造改革が進むといった解説も散見されましたが、要はビッグイベントに乗じて投機筋が仕掛けてきたというのが実態かと思います。週央にはロイターの記事で『くりっく365でドル/円のロングが過去最高水準まで積みあがっており、投機筋がストップロスを狙っている』なんていう記事が流れてましたが、投機筋のポジショントークを記者がそのまま記事にしたんじゃないかという気がします。うがった見方かもしれませんが。

それはともかく、週前半は円高に流れたことは確かでした。背景には、株、原油などの商品、新興国通貨などに割高感が出てきたことがありました。実際、週前半にはこうしたリスク資産は大きく売られました。ISM景気指数(製造業:8月)がおよそ1年半ぶりに50を上回ってきたのですが、材料視されず。しかし、押し目買い意欲が強く、後半は原油を除いて反発しました。注目された米雇用統計は失業率が26年ぶりの水準に悪化したものの、NFPが予想ほど減少しなかったことから、こうした押し目買い意欲を削ぐことはなかったようです。

結局先週は、ファンダメンタルズより内部要因主体の展開だったような気がします。さて今週ですが、ドル/円は下値トライの動きが一服しそうな感じですね。どちらかと言うと円安に振れやすい地合かと思います。その他の主要通貨や新興国通貨の対ドル相場は、方向感が出にくいでしょう。全体に上値がつっかえている感じですから。豪ドルは先週、年初来高値を更新しましたが、このまま上昇を続ける地合いにはなさそうです。

もし、ダウ平均WTIが利食い売りに押されてさらに地合を弱めてくるようであれば、資源国通貨や新興国通貨は水準を下げてくるでしょう。具体的にはS&P500が25日移動平均線を再び下回ってくればその可能性は高くなると思います。下図はS&P500の日足とRSIですが、ダイバージェンスが起こっていて気になる点です。ただ、現状ではまだ不透明なので、今週は引き続き前回のストラテジーをお薦めします。

一つはユーロポンドの買い。ターゲットとした50日移動平均線に接近してきましたが、まだ距離があります。もうしばらく待つことにしましょう。あと、1.5161で買い持ちしているユーロ/スイスフランですが、先週末もこの水準で引けています。このまま維持で。

S&P500P日足

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