2009年8月アーカイブ

先週は強い経済指標が多かったですね。米国ではケースシラー住宅価格指数が2ヶ月連続で上昇したほか、新築住宅販売件数も予想以上に増加。耐久財受注や消費者信頼感指数も大幅に改善しました。欧州でもIfo景気指数が予想を上回りました。また、FRBのバーナンキ議長がオバマ大統領から2期目の指名を早めに受けたことも市場に安心感をもたらしました。そんなこんなでダウ平均は07年4月以来の8日続伸となり、年初来の高値を更新。しかしその割りに円高だった、というのが先週の印象です。

円高の要因としては、中国株が軟調だったことや(ご参考:YAHOO雅虎/財形)、中国当局が産業設備の過剰抑制を検討していることなどで、景気回復への警戒感が強まったことがあります。実際、バルチック・ドライ指数を見ると、4月・5月は回復していた海運市況が、6月以降は再び下降基調を辿っており、まだ上向く気配がありません。株式市場のほうは過剰流動性相場の様相が強いですが、世界景気については為替市場のほうが現実的かもしれませんね。

クロス/円も、オセアニア通貨/円はFX投資家の押し目買いで底固かったですが、欧州通貨やカナダドルは弱含みでした。特に、ポンドの弱さが目立ちましたね。イギリス大手民間銀行のRBSが主要通貨では最もリスクが高いとの見方を示したことや、イングランド銀行(英中銀)による国債購入で利回りが低下したことなどに圧迫されました。

下図はユーロ/ポンドの日足とボリンジャーバンド(50日移動平均線ベース+2σ)です。日足がアッパーバンドを超えて推移し、バンドの幅が縮小から拡大に転じています。ユーロ/ポンドはテクニカル的にも上昇トレンドを暗示するかたちになっています。そこで、今週のストラテジーとして、50日移動平均線の水準をターゲットに押し目買いを推奨します。

あと、1.5161で買い持ちしているユーロ/スイスフランですが、先週は前半上昇・後半下降で結局いってこいでした。週末は建値をやや下回っていますが、中長期的にはアップトレンドと見ています。このまま維持したいと思います。

EUR/GBP日足

今週末は米雇用統計の発表があります。楽観的な予想が多いようですが、振れの大きな指標なので注意が必要です。引き続きドルがらみは仕掛けにくい状況ですね。

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相場とは関係のない話しですが、FX取引の市場規模を調査している矢野経済研究所が最近2009年3月末の調査結果を発表しました。それによると、証拠金ベースでは前年度比14%減の5951億円となり、2002年の調査開始以来初めて減少に転じたそうです。リーマン・ショック以後の急激な円高で、多くの投資家が痛んだせいでしょう。一方で、年間の取引高は169%増とジャンプアップ。この中にはかなりのロスカットが含まれていそうですね。ただ、年度末の口座数は55%増の192万件で、重複口座もかなりあると思われるものの、FXを始める人は確実に増えているようです。

さて本題ですが、先週のマーケットは週初めと後半では逆の展開になりました。当初は中国株の下落や米経済指標の悪化を反映してリスク資産全般に軟調でしたが、その後は大きく反発。中国株が上昇したこと、米中古住宅販売件数(7月)が2007年8月以来の高水準になったこと、バーナンキFRB議長が講演で世界経済の回復にわりと楽観的な見通しを示したことなどが要因でした。WTIダウ平均が大きく反発して年初来高値を更新し、為替市場では資源国通貨などが上昇しました。

同じ講演の壇上でトリシェECB総裁は慎重な見通しを示しましたが、こちらはほとんど材料視されず。まぁ、バーナンキ議長の発言にしても慎重な部分はあったわけですが、今の市場は弱材料よりも強材料に反応しやすい地合にあるようです。

さて、今後もこうした地合が続くのでしょうか。ポイントの一つはこのところ影響力が増している中国株の動向です。上げるにしても下げるにしても一方的になりやすい市場ですが、チャート的には26週移動平均線で支えられており、調整終了の可能性も多分に考えられます(ご参考:YAHOO雅虎/財形)。また、米株式や原油相場が年初来高値を取ってきた状況では、足元の流れに向かうのは避けたほうが無難でしょう。では素直に乗っかっていくかと言うと、ごく短期的にはそれもありかなとは思います。

今週は米GDP(4-6月期)の発表がありますが、先週発表された日本のGDPはプラスに転換し市場予想もやや上回りましたし、欧州のGDPも予想以上に良い数字が出ています。米GDPも良い数字が出そうな感じですから、今週は足元の流れが続く可能性が高いでしょう。特に原油相場の反発で、ノルウェー・クローネ/円(下図)、カナダドル/円などは面白そうです。

NOK/JPY週足

ただ、リスク資産全般に春先の底値から随分と値を上げていますので、調整エネルギーもそれなりに溜まっています。世界の景気がこのまま本当に回復していくのか?という疑問も付きまといます。ごく短期は別として、ドルや円をからめた相場はちょっと読みづらくなっている感があります。

そこで、ユーロクロスにも目を向けたいのですが、先週推奨したユーロ/スイスフランの買いが、ターゲットの100日移動平均線をヒットしました。建値は1.5161。週末もこの水準で終わっています。3月以降は概ね1.50~1.54でのボックス相場で推移していますが、中長期的にはスイス金融機関の脆弱性からこれを上抜いてくると見ています。しばらくはこれをウォッチしながら、ドルがらみや円がらみについてはチャンスを待ちたいと思います。

なお、96.80円で買い持ちしていたドル/円は逆指値の94.40円をヒットしたので、あえなく損切りとなってしまいました。2.4%の値動きですからレバレッジ3倍とすると7.44%のドローダウン。これで通算成績は4勝2敗に。短期ストラテジーで2連敗となった点は、大いに反省しています。「まだはもうなり、もうはまだなり」という相場格言が思い出す失敗でした。

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先週のマーケットは全般に方向感を欠く展開でした。先々週末発表された米雇用統計の影響が意外に長続きしなかったですね。一方で、米国の小売売上高(7月)や消費者態度指数(ミシガン大学)が下振れしたことにダウ平均は素直に反応。米国債が一環して上昇(金利は低下)する一方、原油相場が週末に大きく下げるなど、全般にリスクへの警戒感が強まっている印象を受けます。

中長期的な相場を占ううえで注目されたFOMCですが、結果は次のような内容でした。

  • 景気判断を上方修正
  • 低金利の継続を表明
  • 米国債の買い入れ増額は見送り
  • 米国債の買い入れは徐々に減少し10月末までに上限に達する

この中で、米国債の買い入れ期限が10月末までと明示されたことは、記憶に留めておきたい点です。ドルを垂れ流している蛇口が徐々に閉められると、今度はダブつくドルをどうやって吸収するかという難しい場面が訪れます。鍵は景気動向が握っているわけですが、市場は今のところ楽観的に考えているようです。ただ、ちょっと楽観的すぎたという反省ムードが出てくるようだと(前述したように少しその兆しがあります)仕掛け時となるので、特に消費関連などの経済指標には注目しておきたいところです。

一方、先週号で推奨したドル/円の買いですが、火曜日に指値の96.80円で約定しました。しかしその後も下落し、週末は94.90円で引けています。これはちょっと想定外でした。25日移動平均線が上向きなので、今のところは下落基調が続くとは見ていませんが、先週の安値を下回ってくるようだと、損切りをせざるを得ないでしょう。ということで、94.40円を逆指値水準にしておきます。どうもこのところ、BINGO!っていう感じのストラテジーが提示できていませんが、こういう時は往々にして相場の潮目が変るときです。秋相場ではその流れにうまく乗っていけるようにしたいと思っています。

あと、追加でユーロ/スイスフランの買いを推奨しておきます。下図はその日足ですが、200日移動平均線が上向きになってきていますし、100日線は既にその上にあります。ファンダメンタルズから見ても、先週発表されたドイツ、フランスの2QGDPが低下予想に反して上昇する一方、スイスの金融機関は相変わらず火種を抱えています。先週は米国で今年最大規模の金融破綻(地銀大手のコロニアルバンクグループ)がありましたしね。100日移動平均線の水準を買いのターゲットとしておきます。いずれ300日線をブレークしてくるはずです。

EUR/CHF日足

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先週末発表された米雇用統計はインパクトがありましたね。市場予想よりもかなり良い数字となりました。NFPは32~35万人程度の減少予想に対して24.7万人減にとどまり、失業率は0.1%上昇の予想に対して逆に0.1%低下(昨年4月以来)と、まさにサプライズ。同じく先週発表されたISM景気指数(非製造)の雇用指数が前月を下回ったり、ADP雇用統計が予想よりも悪かったので、驚きはなおさらでした。

この雇用統計を受けてマーケットは大きく変動。安全資産である米国債が売られ(金利は上昇)、10年債は2ヶ月ぶりの水準へ下落。欧州でも債券が急落しています。一方、リスク資産が買われ、ダウ平均は1.23%上昇しました。ただ、為替市場の反応は従来の図式とは少し異なる動きを示しました。これまでは、リスク資産が買われる局面ではドルが売られてユーロ豪ドルなどが買われていましたが、今回はドルが全面高となっています。特に対円では一気に97円台半ばまで上昇しました。これは気になる現象です。

下図は7月26日の記事でも取り上げたドルインデックスの月足とボリンジャーバンド(24ヶ月移動平均線ベース、2σ)ですが、今週も陽線が立つようだと、当面は底堅い動きとなると思います。

ドルインデックス月足

また、下図はドル/円の日足ですが、上昇中のミッドバンドを超えてきているので、既にアッパーバンドを目指す流れに転換したと思っています。なので、今回は短期ストラテジーとしてドル/円の買いを推奨します。ターゲットは96.80円、利食い目標はひとまず99.80円とします。

ドル/円日足

今週はFOMCが開催されますが、中期的な流れを占ううえで大変重要です。もともと現在の過剰流動性相場は、3月18日のFOMCでFRBが半年間で最大3,000億ドルの米国債買い取りを決定した事に始まっています。当初の計画通りにことが運べば、9月中旬には終了するわけです。垂れ流し状態で市場に供給され続けていたドルの蛇口が閉まることになります。先週はイングランド銀行(英中銀)が「量的緩和策の規模を500億ポンド拡大する」ことを決定しました。事前予想では現状維持か拡大かで見方が分かれていましたが、後者を選択したわけです。FRBはどうでしょうか。注目のイベントです。

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先週は、前半こそドルは主要通貨に対して堅調だったものの、後半は逆の動きとなり、結局ドルインデックスは僅かながら年初来の安値を更新しました。株式相場が世界的に堅調だったこと、原油相場が急反発したこと、過去最大規模の米国債入札が波乱なく終わったこと、米GDPが予想よりも良かったことなどが要因でした。当ブログで売り持ちしていた豪ドルも年初来高値を更新し、ロスカットのターゲットとしていた0.8363ドルをヒット。残念ながら、今回のストラテジーは失敗に終わりました。値動きは6%、レバレッジ3倍で18%のマイナスでした。

これで戦績は4勝1敗です。後講釈しても仕方ないのですが、やはり大勢に逆らって短期的な調整を取りに行くのは難しいですね。一つボタンを掛け違うと取り返しがつかなくなってしまいます。大勢準張り、小勢逆張りという基本姿勢に反した罰が当たったようです。

さて、気を取り直して次を考えましょう。基本的なシナリオに変更はありません。すなわち、今後はドルが反発するだろうという見通し自体は維持しています。理由は以下のとおりです。

  • 米国の消費はまだ当面は低空飛行を続けると見られること。実際、GDP自体は予想よりも良かったものの消費不振も明らかとなっている。
  • そのため、米株価も遠からず調整局面に入ると予想される。
  • 世界的にエネルギーや金属などの商品在庫が積みあがっており、いずれ投機資金が流出する可能性が高い。
  • バルト3国で金融不安が高まっており、スウェーデン、スイス、オーストリアなどの金融機関が不安を抱えている。
  • 中国が過剰流動性によるミニバブル状態にあり、いつ反動が起こっても不思議ではない。
  • 世界は景気回復に対する安心感でちょっとしたユーフォリア状態にあり、遠からず冷静さを取り戻すはずである。

感覚的には、ダウ平均資源国通貨も戻りいっぱいのところまで来ていると思うのですが、このユーフォリアはもう少し続く可能性もあります。失敗したばかりですし、ここはしばらく様子を見ることにしましょう。今週はISM景気指数や米雇用統計といった重要な経済指標の発表、それとECB(欧州中銀)、BOE(英中銀)の金融政策会合も控えてますしね。それらを見たうえで、次のストラテジーを固めたいと思います。

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