FX推奨銘柄:ドル(短期)No.1

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先週のドル/円は週末こそ利食い売りで下げましたが、それまでは堅調でしたね。木曜には終値ベースで94円台を示現しており、これは2ヶ月半ぶりのことです。また、火曜にはダウ平均が大きく下げたにもかかわらず、ドル/円は上昇しました。サブプライム問題が表面化して以降、連動性が強かったドル/円とダウ平均の関係からすると「ん?」という感じ。このところ、東欧の金融セクターに対する懸念から金融市場の緊張感はむしろ高まっており、この点でも円安傾向には違和感があります。なぜ円安なのか。メディアでは日本の政治的混迷を材料視する解説もみかけますが、実際のところあまり関係はないように思えます。おそらく投機筋がポジション整理に動いていることが主因ではないでしょうか。ファンダメンタルズよりは内部要因である需給関係が相場を主導しているということです。

そこで、ドル/円の需給関係について最近の流れを確認しておきましょう。まず、統計として確認できる資本収支。2月9日に財務省が発表した国際収支状況(速報)を見ると、昨年のわが国の証券投資収支は大幅な赤字(資本流出)で、特にリーマン・ショック以降は記録的な赤字となっています。つまり、株や債券などの投資については、海外から入ってきたお金よりも出て行ったお金のほうが遥かに多かったということ。それは、相応するドル買い/円売りが起こったことを意味します。にもかかわらず、逆にドル/円は急落しました。この間、資本収支によるドル買いにぶつかったのは、キャリートレードの巻き戻しと投機筋の売りだったと考えられます。

その結果、投機筋のドル売りポジションはうず高く積まれることになりました。これは、コミットメンツ・オブ・トレーダーズを見ると確認することができます。しかし、このところドル売り円買いの取組みが少し減少してきていることもうかがえます。投機筋のポジションは実需筋と違っていずれは反対売買されます。キャリートレードの巻き戻しは大方一巡したとの見方が優勢ですが、そうだとすると、投機筋がポジションの買い戻しに動けば需給関係がドル買い円売りに傾きます。足元はそういう状況ではないでしょうか。

投機筋が買い戻しに動いた背景ですが、極端な弱気心理が少し冷静さを取り戻してきたことが大きいと思います。これは、TEDスプレッドVIX指数に表れています。また、ドル/円が年初来安値をつけた昨年12月にはゼロ水準まで低下していたブレーク・イーブン・インフレ率(期待インフレ率)が1%まで回復してきたことにも見てとれます。当時の市場はデフレ懸念に怯えていましたが、その恐怖感が少し和らいできているのです。

では、今後も買い戻しが続くのでしょうか。その判断には1月につけた戻り高値の水準をクリアに抜けていけるかが重要なポイントになります。もしクリアに抜ければ、テクニカル要因から買い戻しに拍車がかかる可能性が高いと思います。一方、例年2月中旬から3月はドル安円高になるというアノマリーがあるので、その点は注意する必要があります。各銀行が法人顧客向けに出しているレポートも強弱感が分かれていますが、筆者は7対3くらいで強気に見ています。ただし、いずれにしても目先は短期的な調整が予想されますので、問題はその後です。売りか買いかはもう少し趨勢が見えてきた時点でお伝えしたいと思います。

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