前回記事では、『7対3くらいで(ドルを)強気に見ているものの、調整後に趨勢がはっきりした時点で売りか買いかをお伝えする』と書きましたが、調整は月曜のアジア時間まで。その後はスルスルと値を上げ、予想以上の強さでした。ドルは円だけでなくその他の主要通貨やエマージング諸国の通貨に対しても値を上げ、全面高の様相でした。もともとリーマン・ショック以降、ドルが強いという状況は基本的な流れとしてあるわけですが、少し前まで円はそれ以上に強かった。それがここ1ヶ月ほど強さが影をひそめ、とうとう最下位にまで落ちてしまったわけです。危機的状況にある東欧諸国の通貨よりも弱いというのはある意味情けないです。円がここまで弱くなった理由として、経済成長が二桁マイナスになったとか(詳細)、貿易収支が赤字だとか(詳細)、はたまた政治的混迷とか、そういうことが後講釈として言われますが、それを理由にしているといずれ再び円高局面になったときに多分説明がつかなくなると思います。
先週も書きましたが、今の円安は内部要因、具体的には投機筋のドル買い戻しが主導しています。もちろん、上にあげた材料も心理的な影響はあったかもしれませんが、日本側の材料が相場の流れを左右することってまずありません。勝手な想像をすると、ストーリーはこんな感じじゃないでしょうか。『ドル売り円買いのポジションを積み上げていた投機筋は、市場のテーマがデレバレッジからファンダメンタルズに回帰する流れや、米長期金利が上昇基調となるなかで、2月を買い戻しの好機と見ていた。この時期はレパトリによるドル売り円買いが起きると予想されるので、そのフローに決済をぶつけようとした。ところが本邦年金基金の海外投資などに相殺されて思ったほどドル売りが出てこなかったので相場が上昇してしまい、これがさらに売り方の踏みを誘った。』
コミットメンツ・オブ・トレーダーズを検証すると、ドルの売り越しは直近のピークだった2/3(50,518枚)に比べると、2/24時点でほぼ半減(28,635枚)しています。2/24は発表時点ですから集計自体はその前の週です。先週の分は今週の火曜日に発表されますが、もっと減っているはずです。ではそろそろ円安も終了か?というとおそらくそうは問屋が卸しません。現在はドルの上値を試す流れができていますから、調整後は新規のドル買い円売りも加わって再び高値を目指す可能性が高いように思います。上値の目処としては100日MAが通る水準(先週末時点で100.18円)や過去の戻り高値水準(チャートの赤丸)、フィボナッチ・リトレースメント(61.8%)の101.66円など。ただ、だからと言って足元でドル買いをお勧めしているわけではありません。ここまで上がってしまった相場ですから、のこのこ買いに出て梯子をはずされる可能性もあります。ひとまず今週は様子を見たほうが賢明でしょう。むしろ対ドルでユーロやスイスフランを売るストラテジーをお勧めします。その理由や具体策は次回で。
