ドル/円、クロス/円の戻り売り

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米国が14日に金融安定化に向けた具体策を正式発表したことで、米欧の施策が一通り出揃いました。あとは実行あるのみですが、逆に言えば重要な政策は当面出てこない状況かと思われます。そういう環境で、為替市場はどう動くでしょうか。前回は、中長期的には円高傾向が続くだろうと書きましたが、今日は短期的な動向を考えたいと思います。

鍵は二つあります。一つは金融市場の緊張状態が緩和するかどうか、もう一つは米国株式市場の動向です。現在の為替相場は主体性がないというのか、他の市場の動向を見ながら右顧左眄(うこさべん)している状況なので、この二つの市場の動向を抜きにしては考えられません。

まず前者についてですが、金融市場がどんな感じなのか一般の人には分からないですよね。でも、便利な指標があるんです。TEDスップレッドVIX指数です。特にTEDスプレッドは、短期金融市場のリスク警戒度を表すものなので、昨今のような相場環境ではぜひ参考にしたい指標です。

過去のTEDスプレッドを見ると、ブラックマンデーの時に跳ね上がり、その後、ITバブル崩壊時に再び上昇。2002年から一昨年までは歴史的な低水準が続きました。リスクに対する警戒が緩み、バブルの下地が作られていったことが伺えます。そして昨年、サブプライム問題の表面化とともに上昇し、最近ではブラックマンデー時を超える高値を付けたわけです。短期金融市場がリスクを過剰に警戒している様子が現れています。

このTEDスプレッドが低下してくれば、銀行間取引が正常に戻り始めたことを示唆します。それはすなわち「何が起こるか分からないからとにかくドル資金は手元に集めておこう」という投資(投機)家の行動が緩和し、円以外の通貨に対してドルが上昇した最近の流れが変わることを意味します。先週末時点では、ピーク時からやや下げてきていますが、まだかなりの高水準であることに変りはありません。

もう一つの米国株式市場ですが、ダウ平均の動向を見ると、昨年7月の高値から先々週の安値まで約40%下落しています。過去の暴落をチェックすると、世界恐慌の時を除くと、歴史的な下げ局面は40%前後です。その意味では既に大底をつけている可能性もなくはありません。ただ、今回は信用収縮を伴った世界的規模の不況という点で世界恐慌に似たところがあり、楽観はできません。それに、ヘッジファンド(株価下落の主犯格?)の多くは11月末が決算ですが、それに伴う売り圧力はまだ残っています。

以上からすると、9月末から10月初旬に見られたようなパニック的な欧州通貨やオセアニア通貨の売りは沈静化しつつあるものの、通貨の順位はまだ変らないと思われます。つまり強い順に、円→ドル→欧州通貨・オセアニア通貨→新興国通貨という順位です。なので、当面のストラテジーも従来と同じで、ドル/円、クロス/円ともに戻り売り。ドルが円に対して下げれば欧州通貨やオセアニア通貨が対ドルで下げ、よってクロス/円はドル/円以上に下げるという状況にも変化はなさそうです。

仕掛けどころとなるドル/円の戻りの目安ですが、先週末の戻り高値101.81円、週初につけた戻り高値103.05円、そして103円台半ばなどがあげられます。103円台半ばというのは、下のチャートでわかる様に、強い上値抵抗が働くと予想される水準です。当社はこれまでも戻り売りの方針を推奨してきましたが、下げ圧力が強くてターゲットがヒットできていません。そこで積極的に101.80で売りといきたいところですが、やはり無理をせず103円からの売りあがりを推奨します。なお、クロス/円の売りもこのタイミングで仕掛けていけばよいと思いますが、ドル/円よりも値動きが激しいので、資金には余裕を持たせることが肝要です。

ドル/円(6時間足+50MA、100MA+RSI25)
ドル/円6時間足

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