前回は以下二つのストラテジーを示しました。
- ドル/円はごく目先的には堅調が予想されるが、中長期的には値下がり余地があり売りポジションは維持
- NZドル/円は下値リスクが高まっているので、もし買いポジションを持っているようなら決済
結果として、おおむね予想通りの展開になりましたね。ドル/円は週前半は堅調で108.30円台に乗せる場面もありましたが、後半は軟化。NZドルはブログ公開時の水準が79.90円でしたが、その後は大幅に下落し、一時は77円台まで下げました。高金利通貨なので売りまでは推奨しませんでしたが、売っていればかなりの利益でした。引き続き下値余地がありますので、値ごろ感で買いを入れたりしないよう注意しましょう。ドル/円の売りポジションは50日MAでの利食いを目処に維持することとします。
さて、今週はどんな展開になるでしょうか。
このところ、欧州景気の減速を示す経済指標が相次いでいますね。注目度の高い独Ifo景気指数が急落したほか、各国の景況感指数も軒並み悪化。つまり、欧州の企業経営者たちは、経済の雲行きが怪しくなっていることを肌で感じているわけです。失業率もいよいよ悪化してきました。下のグラフはユーロ圏の失業率(~2008/6)と政策金利(~2008/7)ですが、基本的に逆相関の関係にあることがうかがえます。ECBが7月に政策金利を引き上げましたが、これは例外的な動きなのです。こうしたことをうけて、欧州の金利先物市場は、利上げの可能性を織り込んだ状態から、次第に利下げを織り込む動きを見せています。『ECBが打つ次の一手は利下げ』、そう考える市場関係者も増殖しているようです。
一方で、FRBは利下げを終えたとの見方が支配的です。2007年9月から連続6回の利下げ(5.25%→2.00%)を敢行しましたが、前回は据え置きました(グラフ:主要国の政策金利)。表面金利からインフレ率を差し引いた実質金利が既にマイナスになってますからね。もう下げられる水準まで下げたというところです。金融市場の混乱に対していろいろな対策が打たれたことも、利下げは打ち止めという見方を後押ししています。FF金利先物の動向を見ると、9月に利上げが行われる可能性を3割ほど織り込んだ状態にあります。そんなに早く利上げが始まるかどうかは別として、『FRBが打つ次の一手は利上げ』という見方は既にコンセンサスといっていいかもしれません。
米国も欧州も、足元のファンダメンタルズは決して良くない、というかかなり悪いわけですが、欧州の失速で両者の差は縮小しています。為替相場は絶対的な価値ではなく相対的な価値ですから、差が縮小してきたということは、ユーロ/ドル相場にとっては懸念材料になります。中長期的に見て、ドル安トレンドが上昇に転じる可能性が高まっているのです。
下記は、ユーロ/ドルの日足とスローストキャスティック(25日)です。移動平均は100日と200日。ストキャスや移動平均を見ると、そろそろ反発に転じても不思議ではない形をしていますね。ただ、ファンダメンタルズの悪化から、ユーロ/ドルの基本ストラテジーは買い方針から売り方針に転換すべき時期に来ていると考えます。チャート的にも、2005年から続く長期上昇トレンドは、4/22と7/15のWトップ(参考:天井圏と底値圏の形)で既に天井を打っている可能性が高く、遠からず6/13の1.53を試しにいくのではないでしょうか。
ただし、目先的には買戻しが入りやすく、予想外に良い経済指標が出れば反発する地合いですから、売りポジションを作るのは、100日MAを上回ってくるとことが条件です。そのタイミングが来たら、具体的にお知らせしたいと思います。
