システムトレード

   システムトレード(System Trade)はシストレとも呼ばれ、コンピューターのプログラムに従って自動的に取引を行う取引手法をさします。FXでもシステムトレードを提供する業者が増えています。一般的な利用方法は、いくつかのアプリから選択したり、パラメーターを自分なりに設定して、あとの売買は任せるというもの。過去の実績などを参考にできるため、専門知識がなくても利用することができます。

売買判断はソフト任せ

   システムトレードではコンピューターシステムが自動的に取引してくれます。以前なら専門家の利用に限られていましたが、最近はプロのディーラーやファンドマネジャーが考案したアプリが提供されています。為替相場の知識や取引経験、プログラミング・スキルを持たない人でも、手軽に利用できるような環境になっています。

   代表例はトレーデンシー社が開発したミラートレーダー。アプリを世界中のディーラーから募り、採用したものを運用成績順に表示します。利用者はその中から好きなアプリを選ぶことができるわけです。通常は、戦略の異なるアプリをいくつか同時に選んで取引します。投資金額を変えたり、成績が良くないアプリを入れ替えたりすることもできます。言ってみれば、投資家は自分ではプレーせず、監督としてチームを指揮するわけです。ミラートレーダーは日本のFX業者も10社以上が導入しているようです。

   ある程度プログラミング・スキルがあれば自分で売買方針を組めるソフトもあります。代表的なのはメタトレーダー(MT)。プログラミングを代行する会社もあるので、まったくスキルがない人でも利用は可能です。

システムトレードの長所と短所

   システムトレードは初心者にとって敷居が高いようにも思えますが、腕前に自信がない個人でも手軽にプロの技術を使える点では、初心者むきとも言えます。自分自身の意思で行う裁量取引では、損切りがもっとも難しい判断になります。将来の値上がり期待を捨てきれず、損切りに踏み切れない人が多いのです。その点、システムトレードなら感情が入らないため、心の負担が軽くてすみます。

   ただし、システムトレードにも問題はあります。過去にすぼらしい成績をあげているアプリでも、いざ使ってみるとどうなるかは未知数だということ。また、システムトレードはファンダメンタルズを考慮しません。何か変化の予兆や危険の可能性があったとしても、ルール通りに売買するだけです。それらの状況については、監督である投資家が判断しなければならないわけです。

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